夕学50講という講演を聴いてきました。今日の講師の方は千住真理子さん。言わずもがな著名なヴァイオリニストですね。普段どんな声でお話をするのかしら?コンサート会場ではちょっとお話をなさるのは聴いたことあるけれど、一時間半ひたすらお話するのですから。。きっとその方の人間性がでるような。。と思って楽しみにしていました。
さて、パンツスーツ姿で登場。でも、ヴァイオリンケースも持っていらっしゃいましたので、もしや?の期待がかかります。題目は”音に命が宿る”ご自身の生い立ちなどを中心に始まりました。彼女、角倉了以の親類にあたるようですね。ヴァイオリンを弾いているアインシュタインに祖父母の方がお会いして・・がどこかでつながってヴァイオリンを習うことになったのではないかしら?といっておられました。すごい縁ですよね。手塚治さんとの興味深いエピソードもあったようですし。。。
でも、彼女は本にもかいている通り、相当苦労されています。2年間人前で弾けなかったことについても話されていました。落ち込んだときに、他のもっと苦しい死を前にされた方に励まされ、申し訳ない気持ちになったというお話には、少し目頭が熱くなりました。音楽ってこういうものなんだな?って思えるようになったということがすごく印象に残りました。そして、2年のブランクを取り戻すのに、7年かかったという事実。音楽の神様がやっと許してくれたんだ!っておもったという彼女の言葉は強く頷けるものでした。やっぱり舞台には何か神様がいるような気が私もしています。舞台の上では何が起こるかわからない。良いことも悪いこともみんな神様の仕業・・神様からもらった舞台感覚を一瞬にして奪われないように、日々人と分かち合う音楽にしていきたい。。といってさわやかな笑顔でした。
そして最後に、G線上のアリアを無伴奏で弾いてくれました。おもむろにケースから取り出し、チェロのような音域の音色で。。しびれます。とても素敵な講演でした。これからも彼女を応援したいです。